おばけのロケットエンジン

消した作品は冥府へと、そのうちまたひょっこり

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2009/10/23 01:09
「君の作品は、つまりオナニーなんだよ。」

 なぜかしら、この言葉は誰でも一度は聞くけど、私には釈然としない疑問に思う言葉に思えてしょうがない。この言葉は表現に関わる世界における常套句となりつつある。
確かに、便利な言葉で使いやすく、意味も伝わりやすい。
 だが、この言葉はとてもあいまいだと思うのだ。なんだか心のない言葉だと思うのだ。
直接、誰かにに言われた言葉ではないが、この言葉を聞くと自答する。
心に疑問が浮かび、それとは関係のないところでイライラする。
 
こういう、釈然としないことは専門家に聞くことが一番なので、学生時代の友人オナニー専門家で、たぶん孔子に造詣が深くない友達の亀ちゃんに相談してみた。
以下は亀ちゃんとの会話である。


「君を悩ませている言葉はオナニーを蔑んでいるのだ。
 おおかた自己満足やストレス解消みたいな意味で使ってるんだろう。」 

「それは間違いない。」

「どうせ、君も詩作活動という表現モノをやっているわけだから、
 君も君の詩もその言葉に当てはまり、やりこめられるという確信に対して無防備なのが 気に喰わないんだろう。」

「半分は当たっている。いや、八割はそうかもしれない。だが、残り二割がとてつもなく 気に喰わないのだ。イライラする原因はそれだとしても、それ以上に納得しがたい気持 ちがあるのだ。」

「それでは、君がどんな答えを欲しいのか見つからんよ。」

「亀ちゃん、俺はこの言葉を論破するための答えなど欲しいわけではない。そんなくだら ないものなぞいくらでもできる。
 この言葉はたいがい男なら身近であるものなのに現実感というものが感じられんの   だ。」

「私から言わせれば、オナニーは霊長類は男女に関係なく行うし、イルカもするさ。
 だが、他の動物が何をイメージしてオナニーしているのかしらん。
 確信できるのは人間はイメージする。まずイメージがなきゃできない。
 もっともイメージを持ち続け、正確なものにすることがはとても難しい。
 自己より映像や記号に流される。だから、お手軽なのが流行るわけだわな。
 それがDVDや雑誌だ。しかしそれは悪いことじゃない。」

「どっかで、聞いたような話だな。お手軽にならなかったら、技術に上手い下手が出てき て、みんなが大変だ。みんなが上手に出来るのがいいのか。」

「うまい、へたなどない。完成度があるだけだ。そして蔑まされるようなことでもない。
 基本的なところから話そう。まずオナニーとセックスは違うものだ。
 君だって詩作活動において、誰かを悦ばせようとすることはあるとおもうが、詩が他者 とのセックスのあいだにできるわけじゃない。セックスの産物といえば赤子か、病気か のどっちかだ。
 作品はひとりで作るものだろう。ひとりで相談し、励むのだろう。
 それとも、君は自分の詩で他の人間とセックスしたいのですとキチガイじみたことを
 歌っているのか。」
 
「亀ちゃん、詩作なんてものはすべてオナニーだといいたいのか。」

「それが何故いけない。本来、閉じ込めているものを無理に出せば、ややこしくなるもん さ。」

「そうだ、ややこしくなるのは承知のうえだ。
 明快にしようとしているのに余計ややこしくしている。」

「何故、そっとできんのだ。」

「むこうがそっとさせてくれんのだ。」

「ならオナニーでいいじゃないか。オナニーのほうがまだ分かりやすくてマシだ。
 私から言わせればオナニーにも完成度の高いオナニーと低いオナニーがあるだけさ。
 ただ、君たちの世界のように、自分のオナニーをさらして、他人のオナニーを批判する なんて俺には考えられないね。コンクールなどにおける批評なら別として分かるけど。
 本来、こっそりできるオナニーをわざわざを見せ合って、『お前のはオナニーだ。』っ てお互いがお互いに言うんだろ? ジョークとしては面白いけど、私から見たらそんな もんだよ。
 オナニーにしろ、詩にしろ主観の仮想世界なんだよ。そこを忘れちゃいけない。」

「ん〜〜。わかったような、分からないような。」

「まぁ、いいじゃない。どーせそんな言葉を使う奴なんて、とってもオナニーが好きな奴 に決まってるさ。俺にはわかる。」

「なんだかなぁ・・・。」

「辛く、険しい山を一人で登るのも、美しく、なだらかな山を一人で下るのもどちらが良 くて悪いわけじゃない。その景色は主観でしか見えないもので、本来は山へ行ったひと りのものだったのさ。バカな奴は客観的に見ろという、だったら写真を撮って来いって 話でいいじゃないか。」

「そんなもんかなぁ・・・。」

「」

「そういえば、彼女が出来たんだけどさ。この前、ドンキで彼女のオナニー用にローター を買ってあげたんだ。」

「噂はきいているけど、処女の彼女にそんなもん送るのも結構なオナニー野郎だよ。」



 



アダムとイブと居酒屋で

2009/10/14 23:52
鎌倉駅の周辺にある居酒屋チェーンというものは、店のレベルが正直しょっぱいけど、駅の周りのお店が夜は殆ど閉まっているので、夜遅くまで営業していることがとてつもなく便利だ。
その居酒屋で、フランスから帰ってきたT君とその元彼女のE子君と飲み歩いたときのことのおはなし。
 最近のレディース・デイの割引に対しての不満からはじまって、男社会と女性社会の対立と弊害へとつづき、それからひどく酔っ払って、男と女のセックスの快感の差についての激論へと移行し、神はなぜ出産の痛みを与えながら、セックスの快楽を与えたもうたのかと、三人で本気で悩み。
A子君の発言のなかで「快楽がなかったら、おまえらのポコチンを5cm以下にする慣例を女が命をかけて施行させただろう。」が決め手となった。
そんなときにつまみで頼んだチョリソーがタイムリーに出てきたもんだから、話がまたぶり返して、T君がフランス人のフェラチオと日本人のフェラチオの違いを店員の女の子にわざと聞こえるように大声で力説し始め、ビール瓶で実演し、あげくのはてに「チンコを恐れたり、軽視する女はクソ食らえ!!」と充血した目でテーブルの上に乗り、ビール瓶を股間に押し当てて叫び、ビールを頭から被るA子は何に感動したのかよく分からないけどベロベロのままものすごい勢いで拍手して、お皿を何枚か床に落としていた。
それから三人でT君がいうジャズの真髄のリズム。「チンコ・マンコ」のリズムを大合唱し、その後、T君は女子トイレでドアを開けっ放しでウンコしたままの体勢で眠り、A子はフローリングに小便をもらし、顔に落書きをされたまま寝ていた。

なんだかよく分からないけど途中にアダムとイブの創世記の話とあった。

 創世記といえば、女性であるイブが蛇にそそのかされて、知恵の実を食べ、アダムと共に楽園を神より追放されたというツッコミどころ満載の誰もが聞いたことのあるお話しだ。
このお話を聞いた人によってとらえ方はさまざまであると思う。
T君はイヴが蛇を疑うことを知らなかったこと、さらにアダムがイヴにそそのかされたことが気に食わなかったらしく、バカが勢揃いしたと大きく笑っていた。
A子君はアダムを臆病者と怒り、イブが蛇にそそのかされた話はアダムの嘘であるとまで言い切った。私はA子君のアダムとイブのお話の捕らえ方が非常に印象に残った。

 現在の社会は男社会の名残がありすぎていると女性ならば誰でも感じるだろう。
そして現在の創世記では蛇にそそのかされたイブがアダムと共に楽園を追放されたというの通説だ。
何が言いたいのかといえば、このおはなしは時代がもうすこしすすむにつれて、時代に合わせ変わるだろうということ。神話は時代によって姿を変えるのだから。



 イヴは、アダムにちゃんとイブ自身とアダムという自己を見て欲しかった。そして、なにより自由が欲しかった。楽園という名ばかりの規則正しい生活と拘束は神とアダムの間にある秩序によってつくりだされたモノとしかイブには思えなかった。イブはいつでも第三者であった。はっきりと『自分の世界ではない』という感覚が胸を痛ませた。そしてなにより神を「父よ、父よ。」と神に頼る男がイブには受け入れることが出来なかった。男だったら、親父に牙をむくぐらいのことでもしろよと、神のいいなりのアダムがやるせなかった。そういう不満がまだ頭では意識して言葉に出来なかったがモヤモヤとした日々を送っていた。

 ある日、イブは風が運ぶいい匂いに誘われて、ふらふらとある木の根元まで来ると、その木には熟れた実がなっていた。
歩きつかれ、のどが渇いていたイブは美味しそうなその実を食べてしまった。それこそが知恵の実だったのだが、イブはそんなことなど知る由もなかった。
イブがその実を食べおわると、意識がハッキリして、物事を深く、冷静に考えられるようになった。アダムや神のこと、この世界のこと、そして、自分のことを連続して考えることができるようになった。同時に何が正しくて、何が悪いのかも分からなくなった。無性に誰かに相談に乗ってもらいたくなった。ただ、はっきりとこの世界は自分の世界ではない。自由が欲しいと願う気持ちを抑えることができなくなっていた。

 それからアダムに不思議な木の実について尋ねると
「あれは食べちゃいけない。父はそうおっしゃっていた。」
その一点張りしか言えない男にイブは少し辟易したが、アダムはそういう風に育てられたから仕方がないと我慢した。それ以上にイブは食べてはいけない実を食べてしまったことに怯えた。とんでもないことをしてしまった。こんなことはアダムに相談できない。
ひとりぼっちがとても悲しくなった。

 神に対する言い訳を考えているとき、イブの頭にふと考えが浮かんだ。
なぜ私は今、こんな言い訳を考えているのだろう。神が万能ならば私が食べたことも知っているはずだ。そして、すべてを見渡す目で私が食べる前に私を止めたはずだろう。
けれども、神は現れなかったし、咎めにも来ない。今の私が言い訳を考える前にやってくるはずだ。
イブの頭にある確信が生まれた。『神は万能ではない』。
しかし、神が万能でないならば、今まで信じていた正義はひとつではなくなる。急にこの世界が恐ろしくなった。





2009/10/04 23:54
ことの発端は私が大船駅の駐輪場で女に話しかけられたことだろう。

大船で知らない女に話しかけられたのは、初めてではないが、女に話しかけえられるのは男としては。
まぁ、女といっても女はこちらの目が丸くなるぐらい口ひげが濃い女だった。
口ひげだけならまだ笑い話にも出来ただろう、よくみると眉毛も非常に濃い。そしてまゆげは眉間を横断していた。(こいつはフリーダの生まれ変わりか。)と、少したじろいでしまった。


現代を女性上位時代の幕開けとみるか、男社会の角がほんの少し丸くなっただけとみるかにはじまり、



2009/09/29 04:54
くちびるふるえる、このかなしみに

金属音がこだまする


フードの中の暗闇より

嗚咽は聞こえる


こんこん、トンネルにひびきます


このかなしみをなぐさめる言葉さへ

いずれも膨張させる冷たい炎ならば


わたくしがふりしぼる歌は

的には当たらぬてつはうです



ちいさな窓ガラスに射した

あの夕焼けが命と死をものがたる

そのうつくしさが

わたくしをくつきりと

あわれにさせるのです










たわむれ

2009/09/23 23:05


もっとべんりにするために
もっとうまくうたうため
ことばの工場をたてました

観念と勇猛
プラスエネルギーとマイナスエネルギーさえあれば
たくさんの私が働きます。従業員たちは一生懸命働きます

毎日、どこからか工場に金属が出荷されてきて、大量生産の記号が造られます
海に産廃物やセメントが捨てられます

たくさんの魚がいなくなりました
たくさんの生命は死に絶えていきました

海の向こうのあなたに
届けたかった言葉はメッキされていて
頑丈で、熱に強く、ずいぶんと長持ちするのです。

目的を達成するための
過程への大量投資は終わりませんでした

それから、私の代表が何回か代わった後に
従業員たちと一緒に海を眺めました

ときおり硫酸の海からゲップがきこえます
みんな、ガスでやられて眼が痛みます

私達みんなでお互いをののしりあいました
とっくみあいになりました
私のなかのひとりの誰かは泣いていました


みんなみんなで、海の向こうのあなたに会いに行くために
たまらず海へ飛び込みました
テトラポットにはさまって動けない私もいます


今、泣いている私のひとりが、
たくさんの私をおくっています







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